・イマジナリーフレンドって何?
・大人でも作れるの?
空想上の友人『イマジナリーフレンド』
皆さんも幼少期に、自分にしか見えない友達と遊んだ経験があるかもしれません。
今回はイマジナリーフレンドの特徴や性質、大人になってからでも見る方法について解説したいと思います。
よかったらフォローしてね
目次
イマジナリーフレンドとは?

イマジナリーフレンドとは読んで字のごとく“空想上の友達”のことです。別名でイマジナリーコンパニオンと呼ばれることもあります。
主に幼少期に発現する現象で、多くの場合は成長とともに見えなくなり、次第に存在自体を忘れていきます。また、稀ではありますが青年期までイマジナリーフレンドが持続したり、新しく発現することも確認されています。
イマジナリーフレンドは病気?

「実際に存在しないモノが見える」と聞くと、病気による幻覚などと混同しがちですが、イマジナリーフレンドは成長過程における正常な現象です。決して現実と空想を混同した病気ではありません。
実際に行われた実験でも、イマジナリーフレンドを持つ子供は妄想と現実の区別がついていることが分かっています。日本においてはまだまだ存在が認知されていませんが、心理学・精神学においてはイマジナリーフレンドは発育段階のよくある現象として認められているのです。
イマジナリーフレンドを持ちやすい子の特徴

・男の子より女の子の方が多い
・性格などによる差はほとんどない
・長子や一人っ子に多い
イマジナリーフレンドを持つことが多い子供の特徴は以上の通りです。
昔は「イマジナリーフレンドを持つ子供は内向的で社交性が低い」と考えられていましたが、今は性格や気質の違いはあまり関係ないと言われています。兄弟のような遊び相手の有無など、環境によるものが大きいと考えられているようです。
育児の失敗によるものではない

「イマジナリーフレンドは寂しさから来る子供からのヘルプサイン」だと思われがちですが、それは全くの誤解です。イマジナリーフレンドの発現には以下の条件があります。
・一人で遊ぶ時間があること(TVやゲーム、スマホなどを除く)
・親が子供に干渉しすぎない
・親が子供の心に寄り添いつつも自由にさせる
・普段から空想する癖がある
ここで重要なのは、「心に寄り添いつつも自由にさせる」という項目です。
親から子供の心への働きかけは、空想的な心のやり取りを含みます。子供にイメージ想像させてあげるようなやり取りです。それが子供の心を豊かにし、想像力の幅を広げてイマジナリーフレンドのきっかけになるのです。
つまり、暇を持て余すことは必要な条件の一つではありますが、愛情不足で孤独を感じているからイマジナリーフレンドが現れるという訳ではありません。イマジナリーフレンドは育児の失敗によるものではないということだけ覚えておいてください。
人形や動物の姿をしたイマジナリーフレンドも

イマジナリーフレンドは”友達”とはいえ、人間の姿をしているとは限りません。お気に入りのぬいぐるみやアニメのキャラクター、時には動物などの姿をしていることもあります。
人型の場合は言葉を話すことが多いですが、動物や空想上の生き物の場合は実際の動物のように言葉が通じないことも多く、ペットと同じような感覚で一緒に遊んだりするようです。
イマジナリーフレンドの役割・影響
何故イマジナリーフレンドが現れるのか、それにはちゃんとした意味があります。ここではイマジナリーフレンドという現象にどんな役割や影響があるのかを紹介します。
遊び相手になる

イマジナリーフレンドは同年代の遊び相手として現れます。むしろ、遊び相手になることこそがイマジナリーフレンドの存在意義です。
一人っ子が遭遇しやすいのも、兄弟のような遊び相手が居らずイマジナリーフレンドにその役割を求めるからだと思われます。
社交性や言語能力を育む

イマジナリーフレンドと遊ぶことは交友関係の輪を広げ、他社とコミュニケーションを取る練習になると言われています。
Taylor and Carlsonが1997年に行った心理実験では、イマジナリーフレンドを持っていた子供は社会的認知能力が高いという結果が出ました。また、Trionfi and Reeseが2009年に行った実験では、ナラティブも優れているということが分かりました。
・社会的認知能力:他社に対する理解や感情の読み取り等、対人関係の基礎となる認知機能
・ナラティブ:話術やストーリーを組み立てるなどの言語能力
社会的認知能力やナラティブに優れる子供がイマジナリーフレンドを持つという可能性も残りますが、イマジナリーフレンドを持つ子供はこれらの能力が高い、もしくは高くなるといった良い点があるという事実は確かですね。
ストレスを緩和してくれる

イマジナリーフレンドは作り出した主に対して友好的で都合の良い存在です。主に対して差し障りのあることはせず、喜ばせるような行動を取ることがほとんどです。
また、幼少期の不安は傍に人の温もりがあるだけで幾分か和らぐことが分かっています。もちろん空想上の存在なので実際に体温はありませんが、それを作り出している本人はぬくもりを感じて(錯覚して)落ち着くことができるのです。
他者検出能力が高くなる

他者検出能力とは、人間以外のものに人格を見出す能力です。この能力は想像力の向上と、生き物に対する優しさを育むことに繋がります。
また、他者検出能力が過剰に高い子供がイマジナリーフレンドを持つという説もあります。
【大人も可】イマジナリーフレンドの作り方
イマジナリーフレンドは幼少期特有のものです。基本的には大人になってからイマジナリーフレンドが発現することは無いのですが、意図的に作り出すことは可能です。
では、どうやってイマジナリーフレンドを作るのかについてご紹介します。
自己暗示によって作り出す

イマジナリーフレンドを作るには、そこに人が居るのだと自分に信じ込ませる必要があります。
まずは、姿・声・性格など、人間を一から作り出すような緻密な設定を練ります。設定が作れたら、目の前にそのイマジナリーフレンドが居る様子を想像します。そして、普通の人間と同じように声を掛けたり立ち振る舞ったりしましょう。
これを長い年月を掛けて繰り返すことで、徐々に姿が見え会話もできるようになります。
もっと具体的な作り方(タルパ作成法)
実は、イマジナリーフレンドは幼少期に受動的に作られるものと定義されており、大人が能動的に作り出すものはイマジナリーフレンドとは呼ばれません。
能動的に生み出した幻覚は”タルパ”と呼ばれ、イマジナリーフレンドとは区別されています。
タルパの具体的な作り方は以下の記事で紹介しています。
・タルパを作りたい・これからタルパを作り始める・タルパ作りに苦戦しているもう一人の自分ともいえる幻覚、タルパ(人口精霊)。作ってみたくないですか?理想のタルパとあんなことやこんなことがしたいですよね?この記事を読めば、[…]
参考文献
今回参考にさせていただきました文献です。
【まとめ】イマジナリーフレンドを正しく理解しよう
イマジナリーフレンドは幼少期に誰もが経験する可能性のあるものです。覚えてないだけであなたも経験しているかもしれません。
今のあなた自身は関係ないかもしれませんが、お子さんがイマジナリーフレンドを持つこともあるでしょう。その時はイマジナリーフレンドの存在をやみくもに否定せず、正しく理解した上で受け入れてあげてください。
イマジナリーフレンドは、その子にとって間違いなく『友達』なのですから。
それではまた!